ジャズ・バイオリン奏者、寺井尚子 「花開く」第2章

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寺井尚子の新作「フローリッシュ」のジャケット写真

寺井尚子の新作「フローリッシュ」のジャケット写真

 バイオリンでジャズを奏でる第一人者、寺井尚子(なおこ)(52)は、今月15日に出した2年ぶりの新作に「フローリッシュ」という題名をつけた。「花開く」という意味だ。自身の“新章”を宣言する作品なので、この言葉が似合うと考えた。だが、もしかしたら「今」にふさわしい題名でもあるかもしれない。

 クラシックに比べればバイオリンの演奏家は圧倒的に少ないジャズの世界で、寺井は昭和63年からプロとして活躍している。キャリアは30年を超えた。常に第一線で演奏し続け、テレビCMに起用されるなど支持も幅広い。

 「なんの気負いもなかった。だから続いているのでしょうね。もっと透明な音に、もっと伸びやかな音にと、それだけを求めて演奏してきました」

 ライブ活動を10年続けて平成10年にCDデビューしてからは、毎年欠かさず春に新作を出してきた。新作を出す。新しい課題を見つける。その解決を次の目標に設定し、1年間活動する。その成果として次の新作に取り組む。このサイクルを繰り返した。

 だが、今回は前作から2年の間をあけた。

 「平成30年にデビュー30周年を迎えたのを機に、充電期間をいただきました。ライブは続けていたのですが、新作は間をあけたので、新たな出発だという気持ちを込めました」

 第2章の幕開けだ。ピアノ・トリオを従えて、オペラ曲「トゥーランドット~誰も寝てはならぬ」や映画「シンドラーのリスト」の主題曲など、しっとりと大人の雰囲気を漂わせた音楽を紡いでいる。

 この新作を提げて全国で公演するはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大で相次ぎ中止になった。新章開幕の出はなをくじかれた。30年続けたサイクルが狂わされた。だが、寺井には新たな目標がある。

 「元気な笑顔でまた皆さんと会える日を迎える。そこが目標ですよね。自分も守り、他人も守りながら、この事態を乗り越えなくてはいけません」

 外出を控えて、感染の収束という「花開く」日を迎えることが世界共通の目標だ。「演奏家はアスリートに似ています。1日休むと3日分、後退してしまう」。自身は、淡々と自宅で基礎練習に取り組んでいるという。

■CD店休業で一部発売延期に

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令された緊急事態宣言に伴い、臨時休業しているCD店があることなどから、今月22日から5月6日に発売予定だった商品の発売延期を決めたレコード会社もある。

 寺井のCD「フローリッシュ」は15日に発売。インターネット上の配信での購入や、定額制聴き放題サービスで聴くこともできる。

(石井健、写真も)

 ◇ 

 〈てらい・なおこ〉 昭和42年5月生まれ。神奈川県出身。4歳からバイオリンを習う。63年、ジャズ・バイオリン奏者としてプロデビュー。平成9年、来日中のピアニスト、ケニー・バロンと共演し、彼のレコーディングに招かれて注目。翌年、自身の名義でもCDデビュー。その後、コンサートを中心に、CM出演まで幅広く活動。30年にデビュー30周年。「ザ・スタンダードII」と「寺井尚子ベスト」を同時発売。今月15日、2年ぶりの新作「フローリッシュ」発売。

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