新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、河村建夫元官房長官ら自民党衆院議員が21日、東京医科歯科大医学部付属病院(東京都文京区)を訪れ、コロナ対応の最前線を視察した。
この病院では感染拡大の影響で医療従事者が使用する防護具が不足。このため、同大歯学部付属病院の歯科技工技師がクリアファイルを使い、飛沫(ひまつ)感染を防ぐ「フェースシールド」を自作している。歯の模型などを作るために使う3Dプリンターを活用してフレームを製作しているという。
東京医科歯科大の松原恒・歯科技工技師長によると、フレームを作るためのデータは3Dプリンターのメーカーが公表している。松原氏は「特技を生かしてみんなのサポートができれば」と話している。
大川淳理事によると、東京医科歯科大では新型コロナの感染患者の増加に伴い、4月初旬から初診患者の受け付けを停止する診療科が出始めた。新型コロナに感染した11人の重症患者が入院し、9台ある人工心肺装置のうち3台が稼働している。
大川氏は「フェースシールドだけでなく院内感染防止に欠かせないガウンも足りない。院内感染が起これば病院の機能が停止し、重症患者を診ることができなくなってしまう」と訴えた。
視察した医師の安藤高夫衆院議員は「重症患者を診るためには相当な準備が必要だ。政治としてできることをやっていきたい」と述べ、初診受け付けの停止などにより悪化する病院経営への支援も必要との認識を示した。