新型コロナウイルスの家庭内感染が目立つ中、家庭内で子育てや高齢者介護を担う人たちの感染が課題になってきた。自宅療養の場合は感染者と同居者の生活空間を分けるとしているが、子育てや介護では難しい面もあり、「感染をしたらどのように対応したらいいのか」と不安が広がる。
生活空間が一緒の家族は感染リスクがある。自宅療養の際の注意点では、家族全員のマスクの着用▽ドアノブやトイレなどの消毒▽換気▽小まめな手洗い▽ごみは密閉して捨てる-などが挙げられる。感染判明以外の場合でも予防の観点から参考となり、同居家族の体調に気を配りながら可能な対策を講じることが重要になりそうだ。
フリーアナウンサーの赤江珠緒さんは出演するTBSラジオを通じ、夫婦で感染、自身が自宅療養していることを明らかにした。幼児の長女がおり、夫の感染が先に判明した際にはラジオ番組に寄せた手記で「親が共倒れになった場合の子供の面倒は誰がみるのか」と不安をつづっていた。
都などによると、子供を持つ軽症者らが自宅療養するかどうかは各地の保健所の判断に任され、統一基準は設けられていない。個別の事情に応じて判断されており、親が入院するなどして子供の世話ができない場合には医療機関で受け入れることもあるという。
淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)は高齢者介護を取り巻く環境も深刻だとし、「介護する側が感染した場合を想定し、要介護者が介護難民にならないための受け入れ施設を用意するなど早急な対応が求められる」と強調している。