野党「対応迷走」を批判 賃料猶予など提案も 補正予算案審議 





参院本会議で令和2年度補正予算案が審議入りし答弁を行う安倍晋三首相=27日午後、国会(春名中撮影)

 新型コロナウイルス関連の緊急経済対策を盛り込んだ令和2年度補正予算案をめぐり、主要野党は27日の衆参両院本会議で政府・与党が現金給付などで迷走したと批判し、事業者の家賃支援や医療態勢の拡充などを求めた。安倍晋三首相は緊急経済対策を説明するとともに、今後も必要な対策を講じていく考えを強調した。

 「首相の場当たり的な対応は枚挙にいとまがない」

 立憲民主党など野党統一会派の馬淵澄夫氏は政府の一連の対応をこう批判した。野党は家賃支払い猶予法案の提出の準備を進めており、馬淵氏も休業を要請した事業者への補償の増額や、賃料の猶予などを訴えた。

 首相は、一律10万円の現金給付の決定が遅れたことについて「私自身の責任」と認めた。事業者に対しては「家賃支払いが大きな負担となっていると切実な声を伺っている」として、売り上げが減少した中小企業に最大200万円を給付する持続化給付金を迅速に実施する考えを示した。また、「事態の変化を注視しながら必要な対応をしっかり行っていく」と、追加の対策にも意欲を見せた。

 医療態勢の拡充を求める声は野党だけでなく、与党からも上がった。

 公明党の北側一雄副代表は、ウイルスの有無を確認するPCR検査について「必要としている患者に迅速にできない状況だ」と注文をつけた。日本の検査数は各国と比べて少なく、陽性患者の把握の遅れが新たな感染につながったり、重症化したりする恐れが指摘されている。

 首相は「医療崩壊は阻止しなければならない」と強調。自治体などの検査センターの整備費用を補正予算案に盛り込んだ交付金などで支援すると説明した。

 主要野党は与党との間で、すでに補正予算案の30日の成立に合意している。早期成立の必要性に理解を示す一方で、補正予算案の組み替えを求め、政府の対策の問題点などをアピールしようとしている。

 こうした主要野党の姿勢に対し、一線を画す日本維新の会の鈴木宗男氏は「一部野党は(政府の対応を)『迷走』『遅い』と批判しているが、新型コロナの問題が起きているにもかかわらず、『桜を見る会』や『IR(統合型リゾート施設)』の質問に時間が使われたことは残念でならない」と苦言を呈した。(田村龍彦)



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