【ワシントン=黒瀬悦成】ニューヨーク・タイムズ紙などの米メディアは4日、連邦緊急事態管理局(FEMA)が米国内での新型コロナウイルス感染による死者数について、現在の1日約2000人から増加し、5月末までに1日約3000人のペースに加速するとの試算を盛り込んだ内部資料をまとめていたことが分かったと報じた。
内部資料は、FEMAが米疾病対策センター(CDC)のモデルに基づいて試算したもので、1日の確認感染者数も現在の約2万5000人から約20万人に大幅に増加するとしている。
米国では経済再開が進むにつれて今後、新たな感染者数が再び急増することが懸念されている。
一方、ディア大統領報道官は問題の資料に関し「ホワイトハウスの文書ではない。関係省庁による審査も受けていない。試算は政権の新型コロナ専門家チーム分析データを反映したものではない」と指摘した。
また、政権が打ち出した経済再開に向けた指針について「連邦政府の保健衛生および感染症の権威による同意に基づく、科学的に裏付けられた取り組みだ」と強調した。
トランプ大統領は3日夜、FOXニュースの対談番組に出演し、予想される感染死者数について「7万5000人から10万人を失うことになるだろう」との見通しを示した。トランプ氏は先週前半、死者数が6万~7万人になると予想し、1日には10万人に達しないことを望むと述べていた。