米州当局、産油制限見送り 業者判断を尊重


 米国の石油生産地であるテキサス州の規制当局は5日、原油の生産制限の実施見送りを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要急減を受け、一部の業者から約50年ぶりの生産調整に踏み切るよう求める声があったが、当局の関与に難色を示す意見が強く、業者の自主的な判断を尊重することにした。

 州内の石油生産を管轄するテキサス鉄道委員会は5日、会合を開いた。委員会は3人で構成。原油の生産制限をめぐる提案を2対1で退けた。クリスチャン委員長は「これによりテキサスの業者は、どの程度の生産削減が適切かを自主的に決めることができる」とのコメントを出した。

 各国政府による外出制限で原油の需要は落ち込み、世界最大の産油国である米国でも新型原油シェールオイルの掘削企業などが苦境に陥っている。当局による生産調整は実施されないことになったが、既に多くの業者にとって現在の原油価格は採算割れの水準のため、生産量を大幅に減らしている。(共同)



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