【台湾有情】守られた日本人の銅像

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 台湾南部の烏山頭(うさんとう)ダムの近くに、同ダム建設を主導した日本人技師、八田與一(はった・よいち)の銅像がある。ダム完成後の1931年にできたもので、地面に座り込んで考え込む姿がかたどられている。ダム建設の現場を視察した際、八田が最もよくとったポーズだという。地元では「豊作の神様」のようにあがめられ、命日の5月8日には毎年、盛大な慰霊祭が行われる。

 国民党一党独裁時代には日本人の顕彰が禁止され、関係者が銅像を倉庫に隠した時期もあったが、80年代に再び設置された。2017年4月には、親中派の活動家によって銅像の首が切り落とされる事件が起きた。それでも関係者はわずか3週間で修復し、同年の慰霊祭に間に合わせた。

 八田が感謝される理由について地元の嘉南農田水利会の会長を長年務めた徐金錫氏は「私たちの食生活を豊かにしてくれただけでなく、ダム建設の際に環境や生態系のことも考えてくれたのは素晴らしい。完成から100年近くたつが、(ダムは)今も立派に機能している」と話す。

 今年の慰霊祭に参加した日本台湾交流協会の泉裕泰代表(駐台湾大使に相当)は「台湾人が日本人に感謝してくれる。私たちも銅像を守ってくれたことに感謝したい。互いに感謝するのはまさに東洋の心だ」としみじみ語った。(矢板明夫)

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