台湾の「追い風」にいら立ち 習近平指導部、米に報復示唆

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南シナ海を航行する中国海軍の空母「遼寧」=4月(共同)

南シナ海を航行する中国海軍の空母「遼寧」=4月(共同)

 【北京=西見由章】中国の習近平指導部は、「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権に吹く「追い風」にいらだちを強めている。蔡氏が新型コロナウイルスの感染対策に成功して内外から支持を集め、トランプ米政権とも接近して政権を安定化させていることへの危機感だ。2期目を迎えた蔡政権に対し、より強硬な軍事的威嚇によって揺さぶりをかけようとする恐れもある。

 中国外務省は20日声明を発表し、ポンペオ米国務長官が蔡氏に祝賀メッセージを送ったことについて「強烈な憤りと厳しい非難」を表明。一つの中国原則と米中が交わした3つの共同声明への重大な違反だと主張した。「中国側は必要な措置をとるが、その責任は米側にある」として報復も示唆した。

 台湾政策を主管する国務院(政府)台湾事務弁公室の報道官も20日、蔡氏の演説をめぐり、台湾の一部の政治家が「外部勢力との結託を強め、疫病を利用して台湾独立を図ろうとしている」と反発した。米国などが新型コロナウイルス対策のため、台湾の世界保健機関(WHO)へのオブザーバー参加を主張したことが念頭にあるようだ。

 中国初の空母「遼寧」は4月、東シナ海から宮古海峡を通過して台湾東部や南部の海域を航行し、南シナ海で訓練を実施。ほぼ同じルートをたどって母港の青島港に戻った。2期目発足を控えた蔡政権への軍事的威嚇であることは明白だ。

 日本の中国研究者は「国際社会の中で台湾のコロナ対策が評価されていることへのいらだち」が軍事的圧力強化の背景にあると分析。「(コロナへの初期対応などをめぐって)中国が国際社会から批判されていることへの不満の裏返しでもある」とみる。

 習指導部は11月の米大統領選の行方を注視している。中国人民大の時殷弘教授は、トランプ大統領が「台湾問題において絶えず中国の許容ラインを踏み越えてきた」と指摘。トランプ氏が再選した場合、「(中国にとって)米国との貿易問題や軍備競争、台湾問題はいっそう状況が悪化するだろう」と予測した。

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