【主張】賭けマージャン 自覚を欠いた行動だった

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 東京高検の黒川弘務検事長が安倍晋三首相に辞表を提出した。黒川氏の辞職は22日の閣議で承認される。

 黒川氏は法務省の調査に対し、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下、都内で新聞記者らと賭けマージャンをしたことを認めた。森雅子法相は黒川氏の処分を訓告とし、これを受けて辞表が提出された。

 全国に外出自粛要請が出ている中で密閉、密集、密接の、いわゆる「3密」状態での長時間の遊興だった。加えて自身の定年延長に端を発した検察庁法の改正案をめぐり、国会が紛糾していたさなかでもあった。

 あまりに軽率な行為で、弁明の余地はなかった。

 検察官には、胸に刻むべき文言がある。大阪地検特捜部の証拠改竄(かいざん)事件を受けて最高検が平成23年に制定した「検察の理念」だ。

 その第1に、こうある。

 「国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を自覚し、法令を遵守(じゅんしゅ)し、厳正公平、不偏不党を旨として、公正誠実に職務を行う」

 黒川氏の行為は、その自覚を全く欠いていたと責められる。

 新聞記者も同様である。

 12年に制定された新聞倫理綱領は、すべての新聞人に「自らを厳しく律し、品格を重んじなくてはならない」と求めている。

 本紙記者2人が、取材対象者を交えて、賭けマージャンをしていたことが社内調査で判明し、謝罪した。

 取材過程に不適切な行為があれば、社内規定にのっとり、厳正に処分する。取材のためと称する、不正や不当な手段は決して許されない。

 ただし、取材源秘匿の原則は守る。取材源、情報源の秘匿は報道に従事する者が、どんな犠牲を払おうと、堅持しなくてはならない鉄則である。報道の側からこれを破ることはあってはならない。取材相手との接触の詳細は、秘匿の対象にあたる。鉄則が守られなくては、将来にわたって情報提供者の信用を失うことになる。

 これらは取材者が厳守する最低限のルールだが、不適切な行為の免罪符にはなり得ない。言論・表現・論評・取材の自由を守り抜くために何が必要か。報道機関としての真摯(しんし)な反省が、もちろん必要である。

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