イスラエル首相、収賄罪などで初公判 徹底抗戦の構え





イスラエルのネタニヤフ首相(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】収賄罪などで起訴されたイスラエルのネタニヤフ首相(70)の初公判が24日、エルサレムの地区裁判所で開かれる。現職首相の刑事裁判は同国史上初。イスラエルでは、新型コロナウイルス感染拡大防止を重視する与野党が歩み寄って今月中旬に連立政権が発足しており、首相続投を決めたネタニヤフ氏は政界での求心力を維持しながら法廷で徹底抗戦する構えだ。

 イスラエル検察は昨年11月、収賄や背任、詐欺の罪でネタニヤフ氏を起訴した。国内通信大手ベゼクに対し、同氏が政策面で便宜を図る見返りに、ニュースサイトで好意的な報道を行うよう求めたことなどが罪に当たると判断した。ネタニヤフ氏は「虚偽に基づくクーデターの試みだ」などと一貫して潔白を主張してきた。裁判は少なくとも数年かかる見通しだ。

 ネタニヤフ氏は4月、最大の政敵で野党勢力を率いてきたガンツ元軍参謀総長と連立政権を作ることで合意し、約1年ぶりに政権が正式発足、政治の停滞に終止符が打たれた。両者の合意期間は3年間で、前半の1年半はネタニヤフ氏が首相、ガンツ氏が副首相を務め、後半は同じ期間、2人が役職を交代する。

 イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は、合意によりネタニヤフ氏は今後3年間の政治活動が保証されたとし、裁判所や検察の人事などを通じて「自らの裁判(の進行)を妨害する狙いではないか」という同国の政治学者の見方を伝えた。



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