来春卒業予定の大学生などを対象にした企業の採用選考活動が1日、解禁された。新型コロナウイルス感染拡大を受け、大手企業の多くはオンライン面接を実施。学生らは「自分の熱意が伝わるのだろうか」という不安を抱えつつ、インターネット越しの面接官に自らを売り込む。
大阪市中央区のパナソニックのオフィスでは、一次面接の担当社員がパソコンの画面に映る学生に向かって自己PRなどを問いかけた。同社は感染予防を目的に、最終面接を含む採用選考から10月の内定式までをすべてオンラインで実施するという徹底ぶりだ。
採用担当者は「これまで参加が難しかった地方や海外の学生にも応募してもらえた。学生側も慣れた場所から参加するのでリラックスできる」。また、就職活動に影響が出た学生を考慮し、9月までに分散して応募機会を増やす。
積水ハウスはオンラインと対面式を併用。現場から「どうしても、直接会わないと判断できない」という声があったためという。大阪ガスや関西みらい銀行も同様だ。
一方、景気悪化が採用計画の見直しにつながる動きが出てきた。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の運営会社は新卒の採用活動を中止。ロイヤルホテルは新型コロナを受け、採用活動を一時中断している。