国民民主党の前原誠司元外相、日本維新の会の馬場伸幸幹事長らが立ち上げる勉強会「新しい国のかたち(分権2・0)協議会」の準備会合が8日、国会内で開かれた。会合には維新、国民を中心に12人の国会議員が集まり、16日の設立総会に向けて立憲民主党や共産党などにも参加を呼びかける方針を確認した。ただ、立民などの主要野党は維新を軸とした野党再編と見て警戒を強めている。
「地方は権限と財源という武器がない中で、新型コロナウイルスの感染拡大と戦ってきた。11月の大阪都構想を実現することで、改革の波を全国に広げていきたい」
馬場氏は準備会合でこう訴え、新型コロナで浮き彫りになった地方自治の課題克服に意欲を示した。前原氏も記者団に「地域が競い合う土台を国が作ること、地方主権改革を進めることがポストコロナの政策課題になる」と語り、足並みをそろえた。会合では国会閉会後も月1回、勉強会を開くことを確認した。地方分権推進に向けた法改正を目指し、知事らを講師で招くことなども申し合わせた。
前原氏は「全く純粋な政策勉強会」と強調したが、額面通り受け取る向きは少ない。衆院選が1年半以内に迫る中、新しい「第三極」を目指す維新と、野党再編に取り組んできた前原氏が歩調を合わせ、再編を仕掛けているとの見方がぬぐえないからだ。野党に幅広く参加を呼びかけた思惑について、立民中堅は「共産を含む野党共闘の枠組みに入らない人をあぶり出す考えだ。完全に踏み絵だ」と語る。
こうした動きに対抗するかのように立民の福山哲郎、社民党の吉田忠智両幹事長は8日、国会内で会談。両党の合流に向け地方組織の統合や政策、党職員の処遇などの課題について月内に確認文書をまとめる方針で一致した。福山氏は記者団に「安倍晋三政権の支持率が落ちている中で野党が大きな固まりをつくり、政権の受け皿を国民に示すのは重要だ」と述べたが、社民の地方組織には反対論が根強く、実現に向けたハードルは高い。(千田恒弥)