【全米デモ】各地で暴動沈静化 NY市は8日に経済再開



 7日、米ワシントンで抗議のため集まるデモ隊(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】米中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件で、警察の暴力や黒人差別に抗議するデモは7日も米各地で行われた。デモは13日目に突入したが、各地で暴動は沈静化し、参加者はおおむね平和的に行進した。東部ニューヨーク市では7日、夜間外出禁止令を予定より1日前倒しで解除し、8日には新型コロナウイルス対策で規制してきた経済活動の再開に踏み出す。

 同市のデブラシオ市長は7日の会見で、「デモは日に日に平和的となり、逮捕者は減り、状況は良くなっている」と指摘。3月下旬から実施してきた厳しい営業規制を計画通り8日から緩和するとし、「ニューヨーク市の歴史の中で重要な1日となる」と強調した。

 同市で8日から営業が認められるのは、建設業、製造業のほか、小売店の店頭での受け取り販売など。市は「第1歩」として、20~40万人の労働者が職場復帰すると見込む。地下鉄の駅には手指消毒液を設置し、乗車客にはマスクの着用を求める。

 ただ、抗議デモの最中に相次いだ略奪や破壊行為による被害の修復作業に追われる店舗が多く、再開後の経済回復の効果は見通せない。市の中心部、五番街などは、各店舗が暴動対策として軒並みショーウインドーなどを木の板で覆い、「板張り」の町と化している。

 ニューヨーク州のクオモ知事は7日の記者会見で、同州で実施した新型コロナの検査で陽性率が1%余りと過去約3カ月で最低になったと発表し、「大変いいニュースだ」と指摘した。

 一方で抗議デモによる感染拡大の可能性を「懸念している」とも述べ、ウイルス検査拡充の必要性を強調。ニューヨーク市の経済再開に伴い、同市で毎日3万5000件の検査を実施するとしたほか、デモ参加者専用の検査場を15カ所設ける考えを明らかにした。



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