李在明大統領とトランプ米大統領による初の首脳会談を25日に控え、米国が韓国の対米投資に関して圧力を強めていることが明らかになりました。特に、韓国が約束した3500億ドル(約51兆円)規模の対米投資を首脳会談の成果文書として明文化する問題が、両国間の最終調整の難航を引き起こしており、外交当局が緊迫した交渉を続けています。
趙顕外交部長官の緊急訪米と背景
この緊迫した状況を背景に、韓国外交部の趙顕長官は21日に急遽訪米しました。これは、首脳会談における対米投資合意の文書化に関する最終調整が予想以上に難航しているためと見られています。関係筋は24日、「米国の圧力レベルが非常に激しく、首脳会談で対米投資について具体的な成果を得ようとする米国の意図が明確だ」と指摘しています。この動きを主導しているのは、ラトニック米商務長官であると伝えられています。一時は、米国側が首脳会談のキャンセルを示唆し、交渉力を高める手段として利用しようとする動きも感知されたとのことです。
李在明大統領と金恵景夫人が東京の羽田空港からワシントンD.C.へ向かう専用機に搭乗し、トランプ米大統領との首脳会談に臨む様子
3500億ドル投資の文書化を巡る攻防
米国が強く要求しているのは、先月30日に妥結した関税交渉で韓国が合意した3500億ドルの対米投資について、首脳会談の結果として具体的な文書に盛り込むことです。別の消息筋によると、「文書化の有無、そして盛り込む内容の範囲が最終的な争点となっている」と説明しています。趙長官が李大統領の訪日に随行せず異例の訪米となったのも、この韓米首脳会談の結果文案調整が不可欠であるという米国の要請に応じた措置とされています。米国も首脳会談で目に見える成果を必要としているため、韓国側としては相当な圧力を感じているのが実情です。
さらに、大統領室の姜勲植秘書室長も24日に米国へ出発しました。李大統領の訪日日程に随行していた魏聖洛国家安全保障室長、金容範政策室長に加え、姜室長も合流することで、大統領室の主要3室長全員が海外で調整に当たることになりました。姜室長は仁川国際空港で記者団に対し、「官民が力を合わせ、韓米首脳会談の成功を後押しするためあらゆる努力をしている。一人でも多くと会い、一言でも多く説得できるのであれば当然行くべきだ」と語りました。
韓国政府と米トランプ政権の立場
魏聖洛国家安全保障室長は22日の記者懇談会で、「韓米間の投資や関税協議の流れは、溝が少しずつ狭まっている」と述べたものの、「しかし依然としてもう少し調整が必要であり、トランプ政権は予測が容易ではないため断定的に言うことには慎重だ」との見解を示しています。
これに関連し、トランプ大統領は関税交渉妥結直後、自身のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」への投稿で、「合意により韓国は米国が所有し統制する投資プロジェクトに3500億ドルを提供する。プロジェクトは大統領である私が直接選定するだろう」と明言していました。米国の現在の要求も、このトランプ大統領の言動と大きく関連している可能性が高いと見られます。
韓国政府は、3500億ドルの内訳として、韓米造船協力ファンドに1500億ドル、造船業以外の半導体、原発、二次電池、バイオなどの分野に対する対米投資ファンドに2000億ドルを投じる計画だと明らかにしていました(7月30日、金容範室長)。金室長は、これらの投資の大部分が貸付と保証であり、直接投資の割合は非常に低いだろうと説明しています。
結論
韓米首脳会談を目前に控え、米国の強い圧力の下で韓国の対米投資3500億ドルの文書化を巡る交渉は依然として難航しています。外交当局は会談の成功に向け、ぎりぎりの調整を続けており、文書化される内容が今後の両国関係、ひいては国際経済にもたらす影響は少なくありません。両首脳の会談がどのような形でこの難題を乗り越え、どのような成果を発表するのか、世界の注目が集まっています。
参考文献:
- Yahoo!ニュース – 韓米首脳会談目前に米国圧力レベル高まる…3500億ドル投資の文書化に攻防 (Source link of original article)