群馬県、唾液でPCR検査 今夏にも導入 検査増で第2波備え


 群馬県は8日、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査について、検体に唾液を使う手法を採用する方針を明らかにした。県医師会との協議がまとまり次第、今夏にも始める。検査体制の一段の拡充で感染第2波に備える。

 鼻の奥の粘液を綿棒で採取する従来手法では、検査を受ける人がくしゃみなどをしやすく、医療従事者が飛沫(ひまつ)感染を避けるためガウンなどの着用が欠かせなかった。

 唾液を容器に出すだけで済めば、検査はより安全で迅速になり、かかりつけ医などでも負担なく実施できる。発症から9日以内の人が対象との条件がある。

 厚生労働省が2日から唾液検査を公的医療保険の適用対象にしたことを受け、県でも採用を決定。実施機関としては、地域に身近なかかりつけ医などを想定し、県医師会と詰めの協議を急いでいる。

 県内のPCR検査は医療機関内の「帰国者・接触者外来」と地域医師会が運営する「地域外来・検査センター」の2系統で行い、検査能力は1日100件超。今後、かかりつけ医などでの唾検査が始まれば、PCR検査が受けやすくなり、検査数は大幅に増える見通しだ。

 日本は諸外国に比べ、検査数が圧倒的に少なく感染の実態を正確に把握できていないといわれる。山本一太知事は「適切なタイミングでPCR検査を受けられるようにする必要がある」と指摘していた。



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