【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日、ジュネーブでの記者会見で、南北米大陸や南アジア、中東で新型コロナウイルスの大規模な感染拡大が続いているとし、「世界は新たに危険な局面に突入している」と述べた。WHOの18日付の状況報告書によると、前日から新たに増えた世界の感染者は約18万人に上り、1日当たりとしては過去最多となった。
報告書によると、約18万人の感染者のうち約64%を南北米大陸が占めた。ブラジルで感染が広がっており、米ジョンズ・ホプキンズ大の集計では、同国の感染者の累計が約103万人と世界2位。世界最多の米国(約222万人)の感染者を合わせると、世界の4割近くを占めている。南アジアや中東でも感染者数の増加が確認されている。
テドロス氏は会見で「われわれは、全ての国と全ての人々に警戒を徹底するよう呼びかける」と強調した。WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は19日、欧州諸国などが外出制限の緩和を進めていることについて「制限の解除はデータに基づいて慎重に、段階的に行われなければならない」と注意を呼びかけた。