ボルトン本の中身は? トランプ外交の「実情」明かす





ワシントンで講演するボルトン前米大統領補佐官=2019年9月(AP=共同)

 ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は米政権の内幕を扱った著書の中で、トランプ外交の「実情」を明かした。(ワシントン 黒瀬悦成、塩原永久)

■習氏は「中国の歴史上、最も偉大な指導者」

 2019年6月29日、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に際した米中首脳会談で、中国の習近平国家主席はトランプ米大統領に対し、米国内での中国批判に苦言を呈したという。

 トランプ氏は野党・民主党の間に中国を敵視する勢力が多いと述べた上で、20年11月の米大統領選に突然話題を変え、習氏に選挙で自分が確実に勝てるよう協力してほしいと懇請。再選には「農家(の票)と中国による大豆と小麦の購入拡大が重要だ」と説明した。

 トランプ氏は新たな追加関税を課さないことと引き換えに、中国の米農産品購入を優先事項とする協議の再開を持ち掛けた。習氏が合意したため、歓喜したトランプ氏は「あなたは中国の歴史上、最も偉大な指導者だ」と応じたとされる。

 習氏はG20サミットの夕食会で新疆(しんきょう)ウイグル自治区のイスラム教徒少数民族ウイグル族などの強制収容施設の建設は正当だと主張。トランプ氏は「収容施設の建設は正しいことであり、推進すべきだ」との趣旨の発言をしたという。

 建設容認発言をしたとのボルトン氏の主張に対し、トランプ氏は17日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)で「事実ではない。ボルトン氏はうそつきだ」と反論した。

 ■無秩序な米中貿易交渉

 ボルトン氏は米中貿易交渉に関し、「当初から(政権内で)完全に無秩序な扱われ方をされていた」とし、交渉方針の一貫性が欠如していたと批判。政権幹部が、対中穏健派とタカ派に「ひどく分断されていた」とも回顧している。

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