政府は25日、全世代型社会保障検討会議(議長・安倍晋三首相)の第9回会合を開き、第2次中間報告をまとめた。少子化対策などが柱で、不妊治療の経済的負担を軽減するため、公的医療保険の適用対象の拡大を検討すると明記した。新型コロナウイルスの感染拡大で法的保護が不十分な実態が判明したフリーランスに関し、保護に向けた指針を今年度中に策定することも盛り込んだ。
首相は「少子化社会対策大綱に基づき、できることから速やかに着手する」と強調。フリーランスについては「雇用に該当する場合に労働関係法令を適用するというガイドラインを政府一体で整備する」と述べた。焦点の75歳以上の医療費負担を原則1割から一定所得以上は2割にする方針に関しては「さらに検討を進め、年末の最終報告で取りまとめる」と語った。
不妊治療をめぐっては、原則自己負担3割の公的医療保険が使えるのは、一部の治療行為に限られる。体外受精や顕微授精などは、全額自己負担の自由診療で、1回数十万円かかる。高額な医療費は、子供を望みながら妊娠できない夫婦の重荷となっている。
少子化対策では、男性の育児参加を促すため、育児休業の分割取得拡充や、育休中に支払われる給付金の在り方も検討する。
フリーランスの保護策では労災保険に関し、個人タクシーの運転手など一部に適用されている「特別加入制度」の対象拡大の検討を明記した。