中国、領土問題で強硬姿勢も対立回避

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 【北京=三塚聖平】中国軍とインド軍の衝突現場付近で中国が建造物を設置したのは、領土問題で一切譲歩しない中国の強硬な姿勢を示したものといえる。ただし、中国側は対話を通じた解決を模索している。米国との対立が深刻化する中で、インドとの決定的な関係悪化は避けたいとの思惑がありそうだ。

 24日に記者会見した中国国防省の呉謙(ご・けん)報道官は「衝突の責任は完全にインド側にある」と非難。ガルワン渓谷地域で4月以降、インド側の部隊が一方的に施設を建設したと主張した。インドが対中批判のトーンを強める中で、強い態度で臨む姿勢を見せた形だ。

 しかし、中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は23日の記者会見で、22日の中印両軍による協議について「対話・協議を通じて不一致を適切に処理し、情勢を緩和させたいと双方が望んでいることの表れだ」と強調している。

 中国は関係悪化が進む米国には“口撃”を強めているが、インドには慎重な発言が目立つ。中国は自軍の被害について詳細を明らかにしていないが、これも死傷者数の多寡を比べて世論が過熱することを避けるためという見方がある。

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