任期満了に伴う栃木県の小山市長選は28日告示され、いずれも無所属で、6選を目指す現職の大久保寿夫氏(71)=自民、公明推薦=と、新人の弁護士、浅野正富氏(63)が立候補を届け出た。新型コロナウイルスの影響で選挙運動に制約がある中、多選の是非や市財政のあり方をめぐり論戦が展開される。
大久保氏は雨が降りしきる中、午前9時にJAおやま西部集荷所で出陣式。支持者らへ「行政改革で財源を生み出し、ハードを整備してきた。『選ばれる小山づくり』を進める」と第一声を張り上げた。掲げる公約は、人口50万都市へ向けた周辺自治体との合併推進や、民間活力を活用したJR小山駅東口の再開発など。国会議員や近隣自治体の首長、自公両党の県議らが応援に駆け付けた。
浅野氏も支持者の密集を避けるため、市内3カ所に分けて出陣式を行った。午前10時過ぎに自宅近くの洋品店駐車場で第一声を上げ、「この選挙戦は市民の声を聞かない現職市長との戦いだ。自由に声を上げ、新しい小山市を作ろう」と訴えた。市有施設の指定管理者選定問題などを挙げて多選を批判し、開発事業の見直しや市財政の再建を掲げる。地元市議らがエールを送った。
投開票は7月5日。選挙人名簿登録者数は13万5781人(6月27日現在)。