石原伸晃氏、参院選惨敗後の自民党「責任論」に言及 – 河野氏の幹事長辞任要求に「猿芝居もしない深刻さ」

自民党の元幹事長を務め、今年6月に政界引退を表明した石原伸晃氏(68)が21日、BS日テレの報道番組「深層NEWS」に生出演しました。この中で石原氏は、先日行われた参院選での自民党の惨敗を受け、党内で巻き起こる責任論について自身の見解を詳細に語りました。

参院選惨敗と石破首相の続投表明

今回の参院選は事実上の政権選択選挙と位置づけられましたが、自民・公明の与党は、非改選議席を含めて目標とした過半数50議席を割り込み、合計47議席という結果に終わりました。惨敗から一夜明けた党総裁の石破茂首相は、国民への謝罪を表明しつつも、比較第1党としての与党の責任を繰り返し強調しました。石破首相は「国際情勢の外部環境の変化や自然災害は、政治状況が整うことを待ってくれるわけではない。政治には一刻の停滞も許されない」と述べ、首相続投の意向を明確に示しました。

河野太郎氏の反発と幹事長辞任要求

石破首相はまた、党執行部の立て直し人事について「考えていない」と述べ、責任を取らないまま政権運営を続けていく姿勢を示唆しました。この石破首相の認識に対し、自民党の河野太郎選対委員長代行が強く反発しました。同日、河野氏は木原誠二選対委員長に辞表を提出したことを自身のX(旧ツイッター)で報告。その上で、「選挙の責任者である幹事長がまだ辞表を出していないのはおかしい。こういうところから直していかないと、自民党の再生はありません」と強く主張し、党の要職である森山裕幹事長に対し、公然と辞任を迫る事態となりました。

石原氏が語る「責任の取り方」と党の内情

「選挙大敗の時に幹事長が取るべき行動は何でしょう」と問われた石原氏は、自民党の内情について踏み込みました。「キャビネット(内閣)もそうですし、自民党の役員会は総裁が決めていますから、なかなか面と向かって『おかしいよ』って言いにくい雰囲気はあるんですよ」と、党内の複雑な力学を告白しました。
一方で、「ただ現実だから。国民の皆さんがダメだと言ったんだから、国民の“代議士”だから」とも述べ、現実として国民が示した厳しい審判を受け止めることの重要性を指摘。本来であれば、党の幹事長には「身を処す」という形の責任の取り方が必要であるとの見解を示しました。

参院選惨敗後の責任論について見解を語る石原伸晃氏参院選惨敗後の責任論について見解を語る石原伸晃氏

「猿芝居」さえ見られない深刻な状況

さらに石原氏は、総裁と幹事長の間の人間関係や、政界に長年存在する慣例についても明かしました。「そういう時に普通、何をするかというと、『総裁はどうも辞めそうにないので、責任を取って辞めたいと思いますけど、どうでしょうか』って、(幹事長が)進退伺というのを出すんですよ。そうすると、『森山君、待ってくれよ。君が辞めたら俺もダメだ』って、そういう猿芝居がだいたいあるんですけど」と語ると、スタジオ内には笑いが漏れました。しかし、石原氏自身は「猿芝居もしないところが、深刻ですね」と静かに語り、現自民党が直面する責任問題の根深さと、現状への強い危機感をにじませました。

結び

今回の参院選惨敗は、自民党に深い傷跡を残しました。石破首相の続投表明と党執行部人事の見送りに対し、河野太郎氏が森山幹事長の辞任を強く要求するなど、党内の亀裂が露呈しています。石原伸晃氏の指摘は、党のトップと要職間の慣例的なやり取りさえ見られない現在の状況が、いかに深刻であるかを浮き彫りにしています。国民の厳しい評価を受け止め、「身を処す」責任の形が見えない中で、自民党がどのように「再生」を目指すのか、今後の動向が注目されます。

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