【ソウル=桜井紀雄】韓国の外務省報道官は6月30日の定例記者会見で、中国による「香港国家安全維持法」について「香港はわれわれと密接な人的・経済的な交流関係を持つ重要地域で、韓国政府は同法の可決に絡む動向と今後の影響を鋭意注視している」と述べ、中国政府への批判を避けた。
韓国は、経済的に中国との貿易に大きく依存し、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、北朝鮮問題でも習近平政権の支援を期待しており、これまでも香港問題をめぐって習政権を刺激する言動を抑えてきた。
報道官は一方で、「香港が一国二制度の下で高度の自治を享受しながら安定と発展を続けていくことが重要だ」とも強調し、事態に対する懸念もにじませた。