平成27年8月、東京・お台場一帯で国内最大級のアイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIAL(TIF)」が開催された。これをきっかけに、大阪を拠点にするご当地アイドル「大阪☆春夏秋冬」が注目を集めた。
TIFでブレーク、メジャーデビューへ
「歌がうますぎ」「パフォーマンスがすごすぎ」
TIF終了後、ネット上に絶賛の声があふれ返った。TIF初出演を果たした大阪☆春夏秋冬に対するコメントだ。24年に結成された7人組(現在は6人組)のグループで、東京の雑誌社やネットメディアなども「TIFで見つけたアイドル」などと紹介した。
リーダーを務めるMAINAさんの歌唱力は全国のアイドルを見渡しても屈指の実力を持ち、「カタヤブリなアイドル」を自称する破天荒なパフォーマンスも、初めて見たアイドルファンたちをとりこにした。
約1週間後に渋谷クラブクアトロ(東京都渋谷区)で行ったワンマンライブは、約550人が詰めかける大盛況となった。
グループにとって東京でワンマンライブを行うのは初めて。約3カ月前に開催を決めたが、東京での知名度がなく、当初はまったくチケットが売れていなかった。ところが、TIFでにわかに注目を集め、急激にチケットが売れ出したという。
そんな中で8月下旬にインタビューを行った。東京のイベント関係者からの誘いでTIFへの初出演が決まったことが明らかにされ、メンバーにとって悲願だった憧れのステージで「TIFに出演して注目度を上げることを目標にしていた。想像以上の反響の大きさにビックリしました」と笑顔で振り返った。
これまでにTIFに出演していた関西のご当地アイドルは「JK21(ジェイケイ☆トゥ・ワン)」くらいしかいなかった。関西テレビでレギュラー番組を持ち、東京でも精力的に定期公演などの活動を展開していたため、東京のイベント関係者の間でも知名度が浸透していたからだった。
大阪☆春夏秋冬は、翌年以降もTIFに出演し続け、29年にはメジャーデビュー。大阪のご当地アイドルから全国区のアイドルへと駆け上る“シンデレラストーリー”となった。
「愛踊祭」関西代表決定戦で大波乱
一方、テレビ朝日ミュージック(東京)が「アイドル界の甲子園を目指す」という位置付けで始めた国民的アニメソングのカバーコンテスト「愛踊祭(あいどるまつり)」では、関西エリア代表決定戦で劇的なドラマが生まれた。
書類審査とWEB審査を経て、決定戦に進んだのは6組。アクロバティックな動きでWEB審査で断トツの高評価を集めた「Jeanne Maria(ジャンヌマリア)」をはじめ、知名度や実績では上位の「Dancing Dolls」「OSAKA翔GANGS」などもいて、厳しい戦いが予想されていた。