【TVクリップ】「東大王」伊沢拓司「クイズきっかけで知ることに親しみ」





クイズバラエティ番組「東大王」出演のクイズプレイヤー、伊沢拓司さん(酒巻俊介撮影)
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 レギュラー放送開始から4年目。コロナ禍の自粛期間中も、リモートで視聴者参加型のクイズを実施して人気を博した「東大王」。タイトルにふさわしい経歴で、まさに番組の“顔”だ。

 「最初の特番に出て、楽しかった、と思ってたんですが、レギュラー番組になると聞いて『ホントですか』って」

 レギュラー放送が始まり、ツイッターのフォロワーや、「東大王の人だ」といわれる機会が増え、「認知度の高まりを感じ、レギュラー番組であることのすごさが分かった」と打ち明ける。

 「東大王」は自身にとって、「等身大でじっくりキャラクターを見せられる番組」という。「一般人のクイズプレーヤーは人となりの紹介に時間が割かれるし、クイズ王ならその人のすごさを見せる演出も必要」といい、「東大王」以前の番組では、自身も「“クイズの超人”的に演出されていた」と分析する。これに対し「東大王」は「クイズ王でもミスをするし、苦手分野もある」と等身大の演出に感謝。「“伊沢”と呼び捨てで呼んでもらえるぐらいに、親しみをもってもらえた」という。「クイズ王のようになりたいという気持ちがきっかけになって、学ぶことや知ることに親しみを持ってもらえるフォーマット」とほほ笑む。

 今でも「クイズプレーヤーとしては、誰にも負けたくない」との思いを持つ一方で、人気女性プレーヤーの鈴木光(ひかる)が東大王チームに加入した頃から、「『東大王』をどう見せるか、自分自身がどう見られるのかにこだわり始めた」という。29年11月の水上颯(みずかみ・そう)との決戦でヒートアップし、焦りやいらだちを見せた際、MCの山里亮太に「気持ちは分かるけど、大人になるところだ」と諭され、ハッと気付かされたという。

 現在は解説役も務める。「クイズプレーヤーがどう解答を導き出すか、そのすごさについて説明は必要。スーパープレーの仕組みが分かると、見る方も『チョーすごい!』と思える。解説役には解答者以上のこだわりもありますね」

 「クイズ番組にはいいときも悪いときもありましたが、クイズ文化は消えない。今は一番花開いていると思える状況」と評す。「僕のクイズ王としての役割は終わったなという思いもある。単純に一人のクイズプレーヤーに戻りたい」とも話すが、まだまだその力は番組に必要だ。  (兼松康)

いざわ・たくし 平成6年生まれ、埼玉県出身。東京大学経済学部卒。私立開成中学時代より開成学園クイズ研究部に所属し、同高校時代には日本テレビの「全国高等学校クイズ選手権」で個人として史上初の2連覇を達成した。28年に立ち上げたウェブメディア「QuizKnock」(クイズノック)の編集長を務め、現在はCEO。著書「東大生クイズ王・伊沢拓司の軌跡II」が好評発売中。



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