栃木・小山市長に浅野氏 多選批判、現職飲み込む 知事選に影響も

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投開票から一夜明け、小山市政刷新への決意を語る浅野正富氏=6日、同市西城南の選挙事務所

投開票から一夜明け、小山市政刷新への決意を語る浅野正富氏=6日、同市西城南の選挙事務所

 任期満了に伴う小山市長選は5日に投開票が行われ、無所属新人の弁護士、浅野正富氏(63)が、6選を目指した無所属現職の大久保寿夫氏(71)=自民、公明推薦=を破り初当選した。投票率は44・72%(前回34・89%)、当日有権者数は13万3492人だった。

 知名度に劣る浅野氏は街頭演説に注力した。「多選による風通しの悪い市政」を批判し、「自治体の貯金」に当たる財政調整基金の乏しさも指摘。財政健全化の主張は、新型コロナウイルスや自然災害への不安を抱える有権者に響いた。

 5日深夜に当選確実の一報を受けた浅野氏は、支持者に囲まれながら「市民の力の勝利だ」と喜びを爆発させた。市長就任後は「市民、職員との対話を重視しながら、『田園環境都市・小山』を目指したい」と、決意を新たにした。

 大久保氏は長年培った支持基盤を生かす組織戦を展開したが、一部に離反もみられた。落選をうけ「不徳の至り」と頭を下げた。

 初当選を決めた浅野氏自身も「ここまでの勝ち方ができるとは」と、驚きを隠せなかった。20年間小山市政に君臨した大久保氏は、投票率が過去最低だった前回選よりも6千余りの得票減。「多選にNO」を掲げた浅野氏が、大久保氏の支持層をもすくい取った。同様に多選が争点の一つとなる秋の知事選にも影響がありそうだ。

 かつて浅野氏は、渡良瀬遊水地の保全活動で大久保氏と協力関係にあった。だが、市有施設の指定管理者選定をめぐり批判を強め、告示わずか1カ月前に出馬表明。市民活動の仲間や無所属の県議、市議らと“草の根選挙”を展開した。

 知名度不足の浅野氏は、「市民の声を市政に」という愚直さが会員制交流サイト(SNS)などで拡散。浅野氏は「トップダウン型の市政に今まで声を上げづらかったからこそ、共感が広がった」と捉える。

 一方の大久保氏は新型コロナウイルスを警戒し大々的な集会は控えたが、佐藤勉衆院議員や自民・公明両党の県議、大半の市議が支援する強力な布陣。批判の的となった多選も「安心安全の源」とかわし、「支持される限り続けたい」と7選以降にも言及した。そこに緩みはなかったのか。 

 今年の首長選で、県政与党が推す候補は3連敗。新人を推した矢板市、鹿沼市と異なり、今回は知名度に勝るベテラン現職の落選だけに、自民県連のショックは小さくない。

 11月に行われる見通しの知事選に関し去就を明言していない福田富一知事にとって、5選出馬を表明するハードルは高くなった。「同じ多選でも福田氏と大久保氏の政治手法は異なる」(自民関係者)との声もあるが、すでに立候補表明した田野辺隆男氏からの多選批判にどう応じるか。県民の注目が集まるのは間違いない。(山沢義徳)

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