【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は7日、ジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルスの起源などを検証するための調査チームが今週末に中国に到着すると発表した。WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は同日、調査チームが、新型コロナの感染が最初に確認された中国湖北省武漢市に入るとの見通しを示した。
ウイルスの発生源をめぐっては、コウモリが起源である可能性が指摘される一方、トランプ米政権は武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所からの流出を疑っている。テドロス氏は6月下旬、「ウイルスがどのように始まったのかを理解することができれば、どう備えればよいか知ることができる」とし、調査チームの中国への派遣を明らかにしていた。
ライアン氏は7日の会見で、調査チームについて「新型コロナの感染が最初に確認された場所で、調査を開始するのが明らかに最適だ」と述べた。
また、米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、世界全体の新型コロナの累計の感染者は1160万人を上回り、死者は54万人を超えた。テロドス氏は会見で「新型コロナの世界的な流行は明らかにピークに達していない」と警告した。