東京・新宿の「劇場クラスター」感染対策に甘さ「厳しく検証を」





舞台でクラスターが発生した「シアターモリエール」=15日午後、東京都新宿区(萩原悠久人撮影)

 東京・新宿の劇場「シアターモリエール」で発生した集団感染は、演劇業界が再開に動き出した「最悪のタイミング」(劇場関係者)だった。業界団体のガイドラインに違反した可能性も指摘される。夏の大規模イベントの在り方にも影響する可能性があり、細心の注意を払ってきた演劇関係者からは「厳しく検証してほしい」との声が上がっている。(道丸摩耶)

■客席が近く

 繁華街のビル2階にあるシアターモリエールは、客席数186席の小規模劇場だ。ステージは幅約9メートル、奥行き約5メートルと小さく、お笑いのライブや小劇場演劇に使われることが多い。

 感染が広がったのは6月30日から7月5日まで行われた「THE★JINRO-イケメン人狼アイドルは誰だ!!-」。若手男性俳優25人が各回15人ほど出演し、俳優やスタッフのほか、1日2回の全12公演で観客の感染が明らかになった。同舞台の企画を担当し、観劇した有村昆さん(44)も感染。15日には妻のフリーアナウンサー、丸岡いずみさん(48)の感染も明らかになった。

 主催したイベント会社「ライズコミュニケーション」によると、客席を約100席と半分に減らし消毒や換気を行ったほか、観客はマスク着用で、サーモグラフィーによる検温もあった。ただ、観客の女性によると、客席同士、ステージと客席はいずれも近く、俳優はマイクなしで声が届くよう声を張っていた。最前列の客は飛沫(ひまつ)防止のフェースシールド着用を指示されていたが、着けていなかったという証言もある。

■指針「違反」の疑い

 同劇場は、新型コロナの感染拡大を受けて都内31カ所の小劇場で6月に発足した業界団体「小劇場協議会」に加盟。小劇場の特性に合ったガイドラインを作成していたが、この公演では違反が指摘されている。

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