【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利と位置付ける「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を3・85%のままで据え置くと発表した。据え置きは3カ月連続で、個人向け住宅ローン金利と関係する5年物についても4・65%のままで据え置いた。不動産市場などで資産バブルが警戒されていることを念頭に置いた判断とみられる。
人民銀は、新型コロナウイルスの流行に伴う急激な景気悪化を受け、企業の資金繰りを支援するため今年2月と4月にLPRの引き下げに動いていた。金融市場に大量の資金が供給されたことに加え、その後に中国の経済指標が改善傾向を示すようになったことで、不動産・株式市場の一部では過熱感が出ている。
ここ数カ月、主要都市の新築住宅価格指数は上昇傾向が続く。また、上海株市場の代表的な指標である上海総合指数は、7月上旬に2年5カ月ぶりとなる高値水準を記録。官製メディアが相場の過熱をいさめる事態となっている。
LPRは金融機関の貸出金利の目安となるもので、昨年8月に現行の方式を導入している。