学校での感染、情報公表で際立つ消極姿勢 埼玉県教委「子供への中傷避けたい」

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 東京都や大阪府に次ぐ規模の新型コロナウイルス感染者が確認されている埼玉県で、学校に通う子供の感染が判明した場合の対応に県教育委員会が苦慮している。感染拡大防止の観点からは、学校名や一定の個人情報をすみやかに公表することが望ましいとされる。ただ、いじめや差別を引き起こすリスクが生じるという理由で、詳細な公表に踏み切ることができないケースも多いのが実相だ。

 厚生労働省が2月に各都道府県に示した通知では、年代、性別といった感染者の基本情報を個人が特定されない範囲で積極的に公表するよう求めている。

 ところが、埼玉県教委は「学校の在籍人数は限られており容易に特定できる」として、感染した児童や生徒の情報公表に関して慎重な姿勢を示してきた。

 例えば、生徒4人が感染し学級閉鎖となった県立大宮南高(さいたま市西区)で最初の1人の感染が確認された際、県教委は「南部地区の県立学校で関係者1人が感染」との説明にとどめ、感染者が生徒なのか教職員らなのかさえ明らかにしなかった。

 その後、別の生徒1人の感染が判明すると、1人目が生徒であったことや校名の公表にようやく踏み切った。

 県教委の対応が揺れる背景には、学校で感染が生じた場合の公表のあり方について、文部科学省が明確な指針を示していないことも影響しているようだ。県教委保健体育課の担当者は「前例のない事態だけに、学校で感染者が出るたびに、どこまで公表すべきかを議論している。線引きがとても難しい」と明かす。

 県教委の高田直芳教育長は20日の記者会見で「子供たちへの誹謗(ひぼう)中傷が起きることは避けたい。他方で感染防止策を徹底するために情報を公表する必要もあり、バランスが難しい」と苦悩をにじませた。

 メディアや人権をめぐる問題に詳しい専修大の山田健太教授(言論法)は「学校はさまざまな人が出入りする公共の場であり、感染者が1人でも生じた場合は校名などの基本情報を迅速に公表すべきだ」と語る。「正しい情報の提供が社会不安を取り除くことにもつながる。一定の配慮はあってしかるべきだが、公表すべき事実を隠せば、逆に差別を生む事態につながりかねない」とも指摘した。(竹之内秀介)

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