Go Toで公明迷走 国交相が補償否定→党幹部反発





赤羽一嘉国交相(春名中撮影)

 政府が21日、観光支援事業「Go To トラベル」の割引対象から東京都を除外したことで生じるキャンセル料の補償を決めたことに対し、公明党は国民への丁寧な対応を求めた。ただ、混乱は同党の赤羽一嘉国土交通相が補償を完全否定したことに端を発しており、しかもわずか4日で方針を撤回。政府と与党、とりわけ公明党内の調整不足を露呈した。

 安倍晋三首相は21日の自民党役員会で、キャンセル料について「旅行者に不利益が発生することのないよう政府としてしっかり対応していきたい」と述べた。公明党の山口那津男代表は記者会見で「混乱を生じないように最大限の配慮を尽くして対応していくべきだ」と語り、国民の不安を取り除く対応に努めるよう政府に求めた。

 東京除外は、赤羽氏が17日午前の記者会見で正式に発表した。その際、除外対象者が旅行を解約した際のキャンセル料について「国として補償は考えていない」と明言。菅義偉官房長官も同日午前の記者会見で「特段の対応は行わない」と繰り返した。

 これに「待った」をかけたのが、赤羽氏と同じ公明党の石田祝稔政調会長で、17日午後の記者会見で「国が考える必要がある」と訴えた。背景には同党が重視する来夏の東京都議選への影響に対する懸念があったようだ。国民の反発も強まり、菅氏は20日に「必要な対応を早急に行う」と方針転換を余儀なくされた。

 「赤羽氏と与党側の事前の調整はなかった」(公明党幹部)とされ、今回の足並みの乱れは結束が求められる都議選や次期衆院選に向け課題を残したといえる。(力武崇樹)



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