北朝鮮拉致 “子供世代”4人がビデオメッセージ





国際発信ビデオメッセージ「拉致問題解決を求める日本人拉致被害者御家族の声」で発言する横田哲也氏

 長く膠着(こうちゃく)状態が続く北朝鮮による拉致問題の局面打開を図ろうと、被害者家族が国際社会に向けて連携と拉致の非道さを訴えたビデオメッセージが21日、公開された。世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、さらなる停滞や風化が進みかねない拉致について改めて認識を共有する。

 メッセージは約35分間で、政府インターネットテレビと拉致問題対策本部の各ウェブサイトで視聴できる。横田めぐみさん(55)=拉致当時(13)=の双子の弟、拓也さん(51)、哲也さん(51)、田口八重子さん(64)=同(22)=の長男、飯塚耕一郎さん(43)、松木薫さん(67)=同(26)=の弟、信宏さん(47)の4人が言葉を寄せた。英語の訳文も字幕で流れる。

 拓也さんは「姉は拉致から43年間、絶望の地で拘束され続けている」と強調。今年6月、87歳で死去した父の滋さんについても触れ「再会を願っていたが闘病生活もむなしく他界した。このようなことが許されていいのか」と訴えた。また、「拉致は日本人だけが対象ではなく、タイや韓国など多くの国にまたがっている。被害者たちの声なき声に、耳を傾けてください」と連携を呼びかけた。

 耕一郎さんは、北朝鮮がかつて被害者の遺骨として提出した骨が鑑定で別人と判明したことをあげ、「命を冒涜(ぼうとく)する北朝鮮に強い憤りを感じている。被害者の人生が日々刻々と削られていると、世界中の人々は知るべきだ」と力を込めた。

 メッセージを寄せた4人は、平成9年に家族会を結成して救出運動を進めてきた家族の、子供世代にあたる。同本部は新型コロナの影響などを考慮し、首都圏に住む4人に協力を依頼。今後、在京の各国大使館や日本の在外公館を通じ、諸外国政府やメディアに周知して広く発信していく。



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