秋の味覚、サンマの漁が今年も8月から本格化する。昨年は記録的な不漁となり、日本の漁獲量は過去最低に沈んだ。水産庁は今月末に今年8月から12月までのサンマの漁況見通しを公表する。獲れる量が少なければ、庶民の味も価格の高止まりが懸念される。
今月15日、北海道釧路市の地方卸売市場で全国に先駆けてサンマの初競りが行われ、1キロ当たり4万1040円と過去最高を更新した。従来の最高だった平成30年の3万5640円を15%上回り、店頭では1匹5980円の高値を付けた。これは、北海道東部の太平洋沿岸で行われる「流し網漁」で獲れたサンマだ。
一方、日本のサンマ漁獲量の99%は、日没から夜明けにかけて大きな照明装置でサンマを誘導して行う「棒受網漁」で獲られる。
業界団体の全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、今年は漁船の大きさに応じて8月10、15、20日に出漁する方針。
水産庁によると、日本のサンマ漁獲量は令和元年に4万5800トン(速報値)と過去最低を更新。前年比で65%減、ピークの昭和33年(57万5087トン)からは92%のダウンとなった。
全さんまの大石浩平専務理事は「今年こそ豊漁に恵まれれば」と期待する。