「教科書調査官が北スパイ」疑惑報道 文科省が調査へ





文部科学省=東京・霞が関(宮崎瑞穂撮影)

 文部科学省で教科書検定の実務を担う教科書調査官が「北朝鮮のスパイリスト」に掲載されていたとされる週刊誌報道について、萩生田光一文科相は31日の閣議後記者会見で「考えられる全ての情報を収集し、方向性をいずれかの機会に報告したい」と述べ、事実関係の調査を進める考えを示した。すでに本人に対し聴き取りを行い、「全く身に覚えがない」という趣旨の説明を受けたことも明らかにした。

 この調査官は来年度から中学校で使用される歴史教科書の検定にも関与。ただ、不合格となった自由社の歴史教科書の検定については、教科書会社側と連絡調整などを行う主担当が会社ごとに決められており、この調査官は「(自由社の)担当外だった」とした。

 また、自由社が受けた約400件の検定意見のうち、この調査官による意見は2カ所だったことも明かし、萩生田氏は「朝鮮半島の問題とは全く関係のない箇所だった」として、検定結果に及ぼした影響に否定的な見解を示した。

 この疑惑をめぐっては、「文科省『不正検定』を正す会」(加瀬英明代表)が30日、文科省側に調査と説明を求める声明を出した。



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