次期首相になってほしくない党首ランキング:世論が選んだ「不名誉な顔ぶれ」とその理由

石破茂前首相(68)の退陣に伴い、10月4日の自民党総裁選で新総裁に選出された高市早苗氏(64)。初の女性総裁となったものの、昨年の衆院選での自民党過半数割れ、公明党との26年間続いた連立解消という異例の事態が重なり、次期首相指名の行方は極めて不透明だ。政権交代の機運が高まる中、有権者は誰に次期首相になってほしいのか、あるいはなってほしくないのか。本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」で全国18歳以上の男女1000人を対象に調査を実施。本稿では、「なってほしくない」と回答された党首の上位3名に焦点を当て、その理由を分析する。

国民が「次期首相になってほしくない」党首:詳細分析

今回のアンケート結果は、日本の政治情勢が混沌とする中で、国民が各党首に対して抱く複雑な感情を浮き彫りにしている。期待の裏側にある、政策への懸念、言動への不信、そして政治に対する根本的な疑問が、これらのランキングに集約されている。

第3位:高市早苗氏(自民党)

自民党新総裁に選出され、記者会見で発言する高市早苗氏。次期首相の座を巡る動向に注目が集まる。自民党新総裁に選出され、記者会見で発言する高市早苗氏。次期首相の座を巡る動向に注目が集まる。

自民党新総裁の高市早苗氏が、今回の「なってほしくない」ランキングで第3位となった。新総裁就任後に靖国参拝見送りの方針を表明しつつも、彼女は党内屈指の保守派として知られている。注目すべきは、同時に実施された「なってほしい」アンケートでは高市氏が1位を獲得しており、国民の間での評価が大きく二分されている点だ。

「なってほしくない」と回答した層からは、彼女の保守的な政治姿勢への抵抗感、政策による物価高のさらなる加速への懸念、そして総裁選で支援を受けた麻生太郎氏の「傀儡政権」となり「古い自民党に戻りそう」という危惧が具体的に寄せられた。

  • 《元の悪い自民党に戻りそうだから》(52歳男性)
  • 《自民党政権になってほしくない》(64歳男性)
  • 《増税と物価上昇で国民の生活が苦しくなっている。こうなったのは自民党が悪いから》(59歳男性)

これらの声は、現在の自民党政治、特に経済政策や党の体質に対する国民の強い不満を反映している。

第2位:神谷宗幣代表(参政党)

第2位は、今年7月の参院選で「日本人ファースト」を掲げ、大躍進を遂げた参政党の神谷宗幣代表(47)だった。既存政党の中では保守的とされ、参院選以降、最も注目を集める野党の一つとなった彼だが、その過激な言動がたびたび波紋を呼んでいる。

例えば、所属議員の核武装保有に関する発言や、選挙期間中に抗議者を「非国民」と批判した事例が挙げられる。また、神谷代表自身も参院選期間中に、韓国・朝鮮人を差別する意味で使われる言葉を発し、後に訂正はしたものの、党首自らが物議を醸すことも少なくなかった。掲げる「日本人ファースト」も「排外主義を加速させる」と批判にさらされるなど、熱烈な支持者がいる一方で、「アンチ」も多いのが現状だ。アンケートでは、これまでの言動に対する不安や不信感が多数寄せられた。

  • 《言ってることがチグハグすぎて信用ならん》(32歳女性)
  • 《保守的すぎる》(61歳女性)
  • 《国民の耳に心地好い事ばかり云っている輩ほど信用出来ないものは無い》(61歳男性)
  • 《言葉で煽るだけ煽って不安しか与えてこないから》(37歳女性)

これらの意見は、参政党が掲げる理念や、その表現方法に対する国民の警戒感や不信感の表れと言えるだろう。

第1位:山本太郎代表(れいわ新選組)

「次期首相になってほしくない」党首ランキングで第1位に選ばれたのは、れいわ新選組の山本太郎代表(50)だった。俳優として高い知名度を誇る彼は、東日本大震災を機に反原発運動に取り組み、2013年の参院選で国会議員となった。2019年にれいわ新選組を立ち上げてからは、「消費税の廃止」などを強く訴える左派ポピュリストとして、全国で市民との対話を重ね支持を広げてきた。実際、「なってほしい」アンケートでは、日本維新の会の吉村洋文大阪府知事を抑え4位となるなど、物価高にあえぐ国民の関心を集めている。

しかし、山本氏は政治家としてのキャリアにおいて、しばしば「過激な行動」を見せてきた。2013年秋の園遊会で上皇陛下に直接手簡を手渡した行為や、2023年に入管難民法改正案の採決を阻止しようと委員長席の背後から飛びかかろうとした一件などが批判の対象となる。さらに、「消費税の廃止」や「原発の即刻廃止」といった政策についても、その実現可能性を疑問視する声が少なくない。

  • 《消費税の代案がよく分からない》(57歳男性)
  • 《極端なことを無責任に言っているだけ》(51歳男性)
  • 《言っていることが過激で任せられない》(67歳女性)
  • 《言動が偏っているから》(74歳男性)

これらの意見は、山本氏の行動や政策に対する国民の懸念、特に現実性や責任感に対する疑問を強く示している。

まとめ:予測不能な日本の政治と国民の声

公明党との連立解消という大きな転換点を迎え、日本の首班指名の行方はますます予測困難な状況となっている。今回の「次期首相になってほしくない党首」アンケート結果は、国民が現在の政治家たちに対して抱く複雑な感情、すなわち期待と同時に強い不信や不安が存在することを鮮明に映し出している。

高市早苗氏には政策の方向性や党の体質への懸念、神谷宗幣氏には過激な言動と排外主義への危惧、そして山本太郎氏には政策の現実性や行動の過激さが問われている。国民の多様な声に耳を傾け、これからの日本の政治がどのようなリーダーを選び、進むべき道を切り拓いていくのか、その動向から目が離せない。

参考文献