カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、衆院議員秋元司被告(48)=収賄罪などで起訴=への贈賄罪に問われた中国企業「500ドットコム」元顧問、紺野昌彦(49)、仲里勝憲(48)両被告の判決が12日、東京地裁であり、丹羽敏彦裁判長は「IR事業に対する職務の公正と社会の信頼を大きく損なった」と述べ、紺野被告に懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)、仲里被告に懲役1年10月、執行猶予3年(同懲役1年10月)を言い渡した。
丹羽裁判長は「IR事業参入を後押ししてもらおうと、海外旅行では贅(ぜい)を尽くした露骨な接待に終始し、国内旅行でも至れり尽くせりの特別待遇を行った」と非難。一方で、両被告とも起訴内容を認め、秋元被告側からの偽証依頼も断るなど反省しているとして、執行猶予が相当とした。
判決によると、両被告は衆院が解散された2017年9月28日、秋元被告に300万円を手渡したほか、中国・マカオのカジノ施設視察費や北海道留寿都村への家族旅行費を負担するなどして計約760万円相当の賄賂を提供した。紺野被告は同月27日に香港から1500万円を不正に持ち込んだ外為法違反罪でも有罪となった。