【AFP=時事】フランス・パリ郊外で11日未明、花火や鉄の棒で武装した約40人が警察署を襲撃した。仏当局が発表した。同国では治安部隊を標的とした攻撃が相次いでおり、政府による新たな強硬措置を求める声が上がっている。
【写真】損傷した警察署入り口と窓ガラスが割られた警察車両
襲撃があったのはパリの東12キロに位置するシャンピニーシュルマルヌ(Champigny-sur-Marne)の警察署。11日午前0時前、警察官2人がたばこ休憩で署外に出たところ、襲撃犯らが突然集まってきたという。襲撃犯らは同署の入り口や警察車両数台への攻撃を始め、同署の建物に向かって大量の強力な花火を打ち上げた。2人の警察官はなんとか建物の中に閉じこもり、けが人は報告されていない。
同市のローラン・ジャンヌ(Laurent Jeanne)市長はAFPの取材に対し、警察が狙われたのは最近のスクーター事故の報復の可能性があると指摘。事故は警察が起こしたといわれているが、ジャンヌ氏は「まだ証明されていない」としている。
ジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は襲撃事件を受けツイッター(Twitter)に、「これらの幼稚な薬物ディーラーたちを怖がる人は誰もおらず、われわれの薬物撲滅運動が妨げられることはない」と投稿した。警察は襲撃犯らの身元を明らかにしていないが、ジャンヌ市長は、襲撃を受けた警察署があるボワ・ラベ(Bois-L’Abbe)地区で薬物の取引が問題となっていることを認めた。
捜査関係者によると11日午後、取り調べのため容疑者1人が拘束された。検察によれば襲撃犯の手がかりを探るため監視カメラの映像の確認が進められているという。
仏内務省はその後、ダルマナン氏が13日に警察労働組合と面会すると発表。組合は数か月間、労働環境の改善や他の支援をめぐる具体的な施策を迫ってきた。組合当局は今回の襲撃が、パリなどの大都市郊外の貧窮した地域で、法執行機関に対する脅威が高まっていることを明確にしたと指摘している。【翻訳編集】 AFPBB News