「遺体解体中、自宅に別の女性上げた」 4人目以降の失踪偽装せず 座間9人殺害公判 


「遺体解体中、自宅に別の女性上げた」 4人目以降の失踪偽装せず 座間9人殺害公判 

 神奈川県座間市のアパートで平成29年、15~26歳の男女9人が殺害された事件で、強盗殺人や強盗強制性交殺人などの罪に問われた無職、白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の第10回公判が21日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。同年9月に殺害された4~7人目の被害者に絞った冒頭陳述などが行われ、検察側は被告が4人目以降の被害者には失踪を偽装する指示をしなかったと指摘。「3人殺害しても警察が来ず、大丈夫と考えた」と供述していたことも明らかにした。

【写真】白石容疑者が連絡を取っていたツイッターの画面

 4人は、埼玉県所沢市の大学2年の女子学生=当時(19)▽同県春日部市の無職女性=同(26)▽福島市の高校3年の女子生徒=同(17)▽さいたま市の高校2年の女子生徒=同(17)。

 検察側は冒頭陳述で、4人は一緒に自殺する人を募集するツイッターの投稿などがきっかけで被告と知り合ったと説明。被告に殺害されることを承諾しておらず、性的暴行や所持金を奪うことへの同意も一切なかったとした。

 4人は、被告と一緒にいる間も母親に「今から帰ります」と連絡したり、事件後の日程で美容室の予約を入れたりしていたという。殺害前に「死にたい」や「殺してほしい」といった言動もなく、検察側は被告がいきなり首を絞めるなどして殺害したと述べた。

 一方、弁護側は4人が家族との関係や容姿のことで悩んでいたと指摘し、「いずれも強く死を望んでいた」とした。殺害の承諾に関しては、「被告の所に向かって殺害されるまでの間に、引き返したり命を絶つことを撤回したりするような行動を取っていない」と主張。また、「承諾はあくまでも黙示によるものだった」と強調した。

 公判では、4番目に犠牲となった女子学生に関する証拠調べも行われた。アルバイト先の店長や両親の供述調書を検察官が読み上げ、被告の自宅へ向かう直前の言動などが明らかにされた。

 母親の調書によると、女子学生は高校1年の頃から母親に叱責されると家出を繰り返すようになった。大学では成績不振が続き、殺害された当日は大学のクラス担任と3者面談をする予定だったという。母親は「(成績不振を)言い出せず悩んでいたかもしれないが、本気で死のうとしていたとはどうしても思えない」と話していた。

 女子学生は翌年に控えた成人式の髪形を悩む素振りや、友人と出かける約束なども口にしていたという。被告について「9人分の苦痛、絶望を味わい、一日も早く死んでほしい」とする母親の言葉も紹介された。

 被告人質問では、検察官が女子学生と同時期に知り合った別の女性について問いただした。女子学生が来るまで女性が自宅アパートに滞在しており、白石被告は「朝までカラオケ店に行かせたが、遺体の解体中に戻ったので自宅に上げ、解体を続けた」と証言。検察官が女性から警察に通報される恐れはなかったのかと尋ねると、「(自分に対して)信頼や恋愛感情があり、自分が逮捕されると困るので通報しないと考えた」などと話した。

 一方、弁護側の質問に対しては、「覚えていない」「黙秘します」といった言葉を繰り返した。



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