臨時国会26日召集 菅首相初の国会論戦 学術会議人事も焦点に


臨時国会26日召集 菅首相初の国会論戦 学術会議人事も焦点に

 第203臨時国会は26日召集され、9月16日に発足した菅義偉(すが・よしひで)内閣が初の国会論戦に臨む。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済の立て直しを目指す令和3年度予算の編成などを年末に控え、政府提出の新規法案・条約は10本に絞った。野党は日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を首相が見送った人事を追及する構えで、論戦の焦点となりそうだ。

【写真】笑顔を見せる菅首相と平井デジタル改革担当相

 「新型コロナ対策と経済回復の両立に向けてしっかりと取り組む」

 自民党の柴山昌彦幹事長代理は25日のNHK番組でこう述べ、臨時国会への意気込みを示した。首相は26日に就任後初の所信表明演説に臨み、携帯電話料金の引き下げやデジタル庁創設、不妊治療の公的医療保険適用などの看板政策に言及する見通しだ。28~30日には衆参両院の本会議で各党代表質問を実施し、衆院予算委員会は11月2日から行う。

 新型コロナの影響で概算要求の締め切りがずれ込むなど、異例ずくめの新年度の予算編成が年末にかけて本格化することを見越し、与野党は会期を12月5日までの41日間とすることで合意した。提出法案も新型コロナのワクチン接種関連法案など緊急性の高いものに限定。来年1月の発効を目指す日英経済連携協定(EPA)承認案も審議する。

 野党は学術会議の人事をめぐり、杉田和博官房副長官の国会招致を求めるなど徹底追及の構えだ。立憲民主党の福山哲郎幹事長は25日のNHK番組で「任命拒否は違法だ」と主張し、共産党の小池晃書記局長も「学問の自由を脅かす重大問題だ」と対決姿勢を鮮明にした。

 憲法改正の賛否を問う国民投票の利便性を公職選挙法とそろえる国民投票法改正案の審議が進むかどうかも注目される。改憲論議に慎重な立民や共産などの抵抗で6国会連続の継続審議となっており、自民党は「結論を出さなければならない」(森山裕国対委員長)と成立を目指す。

 自民党の衛藤征士郎憲法改正推進本部長が年末までに改憲の具体的な条文案を策定すると表明したことに主要野党は反発を強めるが、立民などと結成していた統一会派からの離脱を表明した国民民主党の岸本周平幹事長代理は「私たちは絶対に審議拒否はしない。憲法審査会でもしっかりと審議に応じていく」と語り、野党の足並みが乱れる可能性もある。(永原慎吾)



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