【ワシントン=横堀裕也】11月3日に迫る米大統領選で、民主党のジョー・バイデン前副大統領に支持率で後れを取る共和党のトランプ大統領が、選挙資金集めでも劣勢に立たされている。10月前半時点の手元残高は約4360万ドル(約45億6700万円)で、バイデン氏の約4分の1にとどまり、勝敗に影響する選挙広告への投入額でも水をあけられている。
米連邦選挙委員会(FEC)が22日に公表した資金収支報告によると、トランプ氏が10月前半(1~14日)に集めた選挙資金は約4350万ドルで、約1億3000万ドルだったバイデン氏に圧倒された。この期間の支出を比べても、トランプ氏の約6300万ドルに対し、バイデン氏は1億4520万ドルに上る。選挙戦の最終盤に入り、資金力に大差をつけられた格好だ。
FECによると、今回の大統領選では、同時に行われる議会選挙など両陣営以外の支出も含め過去最高額の選挙資金が投じられる見通しで、2016年大統領選の際の65億ドルを既に上回る。新型コロナウイルスの影響で屋外選挙活動が制限される中、大半が選挙広告に費やされているという。
特に重要とされるテレビ広告では、米紙ニューヨーク・タイムズが、トランプ氏陣営が最近の資金難により、オハイオやミネソタなど接戦州で広告の打ち切りを余儀なくされたと報じた。対するバイデン氏陣営は、潤沢な資金で広告枠を次々と押さえており、同紙は「『放送電波を巡る戦争』でバイデン氏がトランプ氏を凌駕(りょうが)した」とも伝えた。