菅首相、初陣は安全運転 かわす答弁、野党手ぐすね 代表質問


菅首相、初陣は安全運転 かわす答弁、野党手ぐすね 代表質問

 菅義偉首相が就任後初めて臨んだ衆参代表質問は30日、3日間の日程を終えた。

 新型コロナウイルス対策や日本学術会議問題が主な論点となったが、首相は正面から答えず、安全運転に終始。野党は来週行われる一問一答形式の衆参予算委員会で徹底追及する方針で、首相の答弁能力の真価が問われそうだ。

【図解】内閣支持率の推移

 立憲民主党の水岡俊一参院議員会長は30日の参院代表質問で、新型コロナで深刻な影響を受けているとして、ひとり親世帯や農林水産業への一層の支援を求めた。首相は、2020年度第2次補正予算などに盛り込んだ対策を説明した上で、「関係施策の充実に向け検討を行う」「施策を着実に推進し生産者を支える」と答弁原稿を淡々と読み上げた。

 コロナ対策は、この3日間に登壇した与野党議員14人全員が取り上げ、さらなる取り組みを訴えた。これに対し首相は、現行の政策に触れ「適切に対応するべく態勢整備を行う」などとパターン化した答弁がほとんどだった。

 焦点の学術会議問題も同様だ。野党は会員候補6人の任命を拒否したことについて、過去の政府答弁との整合性を繰り返しただした。首相は公務員の選定と罷免を「国民固有の権利」と規定した憲法15条を何度も持ち出し、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないという点は、政府として一貫した考え方だ」とかわし続けた。

 一方、首相は2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標をめぐり、密接に関連する原発政策で一歩ずつ踏み込んだ。28日の衆院で「原子力を含めあらゆる選択肢を追求する」と述べたのに続き、29日の参院では「原発再稼働を進める方針に変わりはない」との文言を付け加えた。

 首相の答弁について、立憲の枝野幸男代表は30日の記者会見で「役所の(用意した)答弁を朗読するだけで、熱意やメッセージが伝わってこない。リーダーとして物足りない」と批判。共産党の小池晃書記局長は会見で「まるで壊れたテープレコーダーだ。予算委で徹底的にただす」と強調した。 



Source link