ハラスメント被害教員の口封じ? 口外禁止、誓約書にサイン求める 神戸市教委

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ハラスメント被害教員の口封じ? 口外禁止、誓約書にサイン求める 神戸市教委

 神戸市教育委員会が全教職員約1万2千人を対象に実施しているハラスメント調査のヒアリングで、被害を申告した教員に対し、内容を口外しないよう誓約書へのサインを求めていることが分かった。市教委事務局は「公務員の守秘義務に基づくもので、公正に調査するため」と説明するが、教員からは「問題の口封じだ」と反発の声も上がる。ハラスメント対策の支援団体も「声を上げた人を守り、徹底して対応する姿勢が求められているのに、どこを向いているのか」と疑問を呈している。(長谷部崇)

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 市教委は昨年10月、神戸市立東須磨小学校で教員間暴行・暴言問題が発覚したことを受けて、全教職員を対象に書面によるアンケートを実施。約1600人から計1755件の情報が寄せられた。

 年月が経過して事実確認が難しい事案や、回答者が「調査を求めない」とした事案を除く約半数について、事務局がヒアリングや関係者の処分を進めている。新型コロナウイルスの影響で、調査は当初の予定より遅れているという。

 事務局によると、誓約書は「自身が発言した内容を含め、当該案件にかかる全ての内容について、地方公務員法34条に従い、秘密を厳守します」という内容で、サインは任意。同法34条は公務員の守秘義務を定め、違反した場合の「1年以下の懲役か50万円以下の罰金」や懲戒処分の可能性にも言及していた。

 事務局は「誰からハラスメントを受けたかという情報は『職務で知り得た秘密』に当たり、口外されると、公正・平等な調査に支障が出る恐れがある。加害者とされる側の人権侵害にもつながりかねず、守秘義務について再確認してもらっている」と説明する。誓約書は加害者側にも書かせているという。

 これに対し、調査でハラスメント被害を訴えた教員の一人は「学校現場の問題をつまびらかにすることが調査の目的だったのでは。口止めや脅しのようで、本気で取り組む気があるのか、市教委を信じられなくなった」と嘆く。別の教員も「勇気を出して被害を申告した人たちの気持ちを踏みにじっている」と憤る。

 一般社団法人「職場のハラスメント研究所」(東京)の金子雅臣代表は「ハラスメントの調査は、声を上げた人を守り、徹底して対応していくという当局側の姿勢が鉄則なのに、被害者側を口止めするというのは、どこを向いて調査しているのか分からない。調査に不信感を抱かれても仕方ない」と話している。

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■調査用紙は管理職が取りまとめ「被害申告しにくい」

 神戸市教育委員会によるハラスメント調査を巡っては、各学校の管理職が調査用紙を取りまとめる方式だったため、教員から「被害を申告しにくかった」という声も上がっている。

 調査は、教員が書面のアンケートに記入後、封筒に入れて管理職に提出し、学校で取りまとめて市教委に送られた。教員がメールや郵送で直接事務局に送ることもできたが、管理職への報告が必要だった。

 あからさまな無視など、管理職によるハラスメントを経験したという女性教員は「もし管理職が封を開けて記入した内容を知ったら、と思うと、恐ろしくて書けない、出せないと思った」と振り返る。この教員は白紙の調査用紙をいったん管理職に提出後、別の調査用紙に匿名で自身の体験を書いて事務局に送ったという。

 別の女性教員も「上司のパワハラを理由に退職していった先生や、『ハラスメントを受けていた当時を思い出すのがつらくて書けなかった』という先生もいる。1755件という数字は氷山の一角ではないか」と話し、「この調査で終わりにしないでほしい」と現場の教員が声を上げやすい仕組みづくりを市教委に求めている。

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