新型コロナウイルスの抑止策として厳しい行動制限を導入していないスウェーデン公衆衛生庁の疫学責任者アンデシュ・テグネル氏が2日、日本記者クラブでオンラインで会見し、中学校以下を休校にしない措置について「マイナスの影響は出ていない」と述べた。マスクの着用を呼びかけていないことについても、「国民が社会的距離を守っているので必要ない」との見方を示した。
スウェーデンは他の欧州各国と違い、国民に厳しい行動制限を課さない独自路線を導入しており、テグネル氏らが主導してきた。同国では5月半ばまでに約3500人が死亡し、北欧諸国で突出していた。ただ、テグネル氏は、死者が集中したのは介護施設だったとした上で「衛生状態の改善などを徹底した結果、今は介護施設での死者はほぼゼロだ」と説明。「国民全体の死亡率も直近の3カ月で減っている」と強調した。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、スウェーデンの感染者は2日午後5時時点で12万4355人。死者は5938人。(鈴木春香)