ワシントン(CNN) 米テキサス州ハリス郡が実施したドライブスルー方式の期日前投票について、ヒューストンの連邦地裁は2日、無効化を求める共和党の訴えを退けた。
アンドリュー・ハネン判事は3時間近くに及んだ審理の末、訴えを退けた。判事はこの中で、ドライブスルー投票が先月半ばから実施されていたのに対し、原告が提訴したのは先週後半だったと指摘。この間に投じられた票を無効化した場合の不利益を考えれば、集計に入れるべきとの考えを示した。
原告側はただちに第5巡回区控訴裁に上訴した。同判事は高裁が判断を覆した場合、ハリス郡が3日の投票日にも予定しているドライブスルー投票の差し止めを申し立てることができると述べた。
判事は、テキサス州の選挙法が「建物の中」での投票を定めていると指摘。ドライブスルー投票のテントを建物とは呼べないとの見解を示し、当日にドライブスルーで票が投じられた場合は将来の訴訟に備え、郡当局が記録を残しておくよう指示した。
一方、ハリス郡のホリンズ書記官は「明日もドライブスルー投票を受け付け、その票を集計する」と明言した。
民主党の大統領候補バイデン氏の陣営は、この判断を「テキサスの有権者の勝利」と呼んで歓迎した。
ハリス郡はテキサス州で最も人口が多く、民主党の地盤として知られる。新型コロナウイルス感染対策の一環として郡内10カ所にドライブスルー方式の投票所を先月30日まで開設し、期日前投票数の約1割に当たる約12万7000票を受け付けた。選挙当日にも開かれる予定。共和党議員らがこれを違憲として州最高裁と連邦地裁に訴えを起こしたが、州最高裁ではすでに棄却されていた。