今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界のインスタントラーメン需要が増え、韓国農心(ノンシム)の海外売上高が過去最大になる見込みだ。こうした中、農心は世界即席ラーメン製造会社5位に名を連ねた。
農心は4日、今年の海外売上高を前年比24%増の9億9000万ドル(約1兆1271億ウォン)と予想した。新型コロナで即席ラーメンの消費が急増し、輸出も大きく増えたからだ。
◆「辛ラーメン」「チャパグリ」が人気
こうした農心の好調を牽引する代表的な商品が「辛ラーメン」だ。辛ラーメンは今年の海外売上高が前年比30%増の3億9000万ドル(約410億円)と見込まれる。農心の海外事業の40%を占める。今年上半期、ニューヨークタイムズ(NYT)は辛ラーメンを「世界最高の即席ラーメン」に選定した。「チャパグリ」の人気も好調の一因だ。映画『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー賞受賞で映画に登場した「チャパグリ」への関心が高まった。
欧州市場の場合、英国・ドイツを中心に成長した。農心は英国のテスコ、モリソン、アズダ、ドイツのレーベ・エデカなど主要流通企業を中心に営業網を構築し、新型コロナ発生以降、現地の即席ラーメン需要を吸収している。農心の今年の欧州輸出額は30%増える見込みだ。
今年最も大きく成長した海外市場は米国だ。カナダを含む米国法人の売上高は約3億2600万ドルと予想される。これは前年比28%増で、、米国は今年の売上高基準で中国法人を越えた。
◆農心、世界市場シェア5.3%
グローバル市場調査会社ユーロモニターによると、農心は韓国企業で初めて世界インスタントラーメン製造会社5位(昨年の売上高基準)に入った。今年はシェア5.7%で、6位との差をさらに広げる見通しだ。
今年の世界即席ラーメン市場規模は約412億ドルと、前年比で11.3%成長すると予想される。世界即席ラーメン市場でシェア1位は中国の康師傅で、今年の予想シェアは13.4%。2位は即席ラーメンを最初に開発した日本の日清(9.9%)で、インドネシアのインドフード(7.5%)、日本の東洋水産(7.3%)が後に続く。
ユーロモニターコリアのムン・ギョンソン総括研究員は「新型コロナの影響で海外で即席ラーメンの需要が増えたが、農心がこの機会をうまく生かして各国市場に深く入り込んでいる」とし「ラーメンが典型的な日本と中国の食べ物だと思っていた人たちの考えを変えている」と分析した。