米司法長官、「不正選挙」の捜査促す書簡 担当高官が抗議の辞任



米司法省のバー長官。連邦検察に向けて大統領選をめぐる不正疑惑の捜査に着手するよう促す内容の書簡を出した/Matt McClain-Pool/Getty Images

米司法省のバー長官。連邦検察に向けて大統領選をめぐる不正疑惑の捜査に着手するよう促す内容の書簡を出した/Matt McClain-Pool/Getty Images

(CNN) バー米司法長官は9日、全米の連邦検察に向け、大統領選をめぐる不正疑惑の捜査に着手するよう促す内容の書簡を出した。これに抗議して、司法省で選挙犯罪を担当する部門の責任者が辞任した。

バー氏は書簡の中で、州当局が開票結果を正式に認証する前の段階から、事情聴取などの捜査に着手しても構わないとの見解を示した。

同氏は、選挙の結果に影響しない程度の疑惑なら捜査を先に延ばすべきだが、必ずしもそういう例ばかりではないと主張。一方、州当局による認証手続きの前に司法省が動くことで結果に影響を及ぼすとの懸念に対しては、すでに投票は完了していることから、ほぼ否定できるとの立場を示した。

ただし、トランプ陣営が根拠を示さないまま主張している大規模な不正について、司法省が何らかの証拠を見つけたことを示唆する文言はなかった。

トランプ氏の最側近として知られるバー氏は最近、大統領選の不正疑惑を追及することに強い意欲を示していた。連邦当局は従来、選挙で不正疑惑が指摘されても、各州での認証前は介入を控える方針を取ってきた。司法省内部ではバー氏に対し、この方針を変えるべきではないと忠告する声が強かったという。

事情を知る関係者によると、同省高官らはバー氏の書簡に驚いた様子だった。選挙犯罪部門を率いるリチャード・ピルガー氏もその一人だ。

ビルガー氏は同僚らにあてた辞任表明のメールで、承認前の不介入という長年の方針をバー氏が覆したと指摘した。



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