「どこに住めば」怒号も 北九州市の取り組み、広がる動揺

[ad_1]

「どこに住めば」怒号も 北九州市の取り組み、広がる動揺

 北九州市は防災や空き家対策として斜面地の住宅を減らそうと、一部の斜面地の開発を制限し、利便性の高い平地へ誘導する全国でも珍しい取り組みに乗り出している。人口減や高齢化に歯止めがかからない中、コンパクトな街を目指す先進的な取り組みとして注目されるが、先行して候補地に選ばれた八幡東区の住民の間に動揺が広がっている。年明けの市議選でも各候補者の論戦に注目が集まりそうだ。

【写真】豪雨の影響で崩壊したとみられる八幡東区の民家の石積み=2018年7月

 開発制限の候補地の八幡東区東部、山肌に張り付くように並ぶ家々の合間には、急勾配の階段や自動車が通れないような細い道路が目につく。

 「年を取って、ゴミ捨てや買い物がつらくなった」。70代の女性は斜面地の家に1人で暮らす。大雨が降ると、坂道を流れる大量の雨水に不安を覚えるというが、それでも「40年間、ここで生活してきた。できれば住み続けたい」とこぼした。

 市によると、2018年7月の西日本豪雨では市内約400カ所で土砂崩れが起き、門司区の斜面地の住宅で発生した土砂崩れで2人が死亡。このことなどをきっかけに市は同年末、都市計画の見直しを始めた。災害の危険性のほか、バス停までの距離や空き家率といった指標に基づき、19年末に八幡東区の約292ヘクタール(約5400棟、約1万人)を開発制限の最初の候補地に選んだ。

 市は本年度中にも、他の市内6区の中から複数の候補地を選定し、来年度中に八幡東区も含めて開発制限地域を確定させる予定だ。市都市計画課の古田祐一郎課長は「強引に移住させるものではない。住民に理解してもらうため、丁寧に説明を尽くす」としている。

      ◆

 だが、自らの住まいが候補地に組み込まれた住民からは不安や憤りの声が上がっている。

 今月4日、同区では地権者向けの説明会(定員50人)が4回開かれ、毎回ほぼ満席となった。会場からは「(住宅や土地の)資産価値が下がる」「空き家がもっと増える」といった批判的な意見が目立ち、「どこに移り住めばいいのか」などと怒号が飛ぶ場面もあったという。

[ad_2]

Source link