ドイツのピストリウス国防相は21日、ウクライナに供与するため、防空システム「パトリオット」2基を米国から購入すると表明した。ウクライナが必要とする計5基を追加供与できるよう、ヘグセス米国防長官と合意したとも明かした。残り3基は協力を表明している北大西洋条約機構(NATO)加盟国と調整するとみられる。
オンラインで開かれた、ウクライナの防衛について協議する関係国会合で述べた。独DPA通信によると、ドイツは当初は米国から購入したパトリオットをウクライナへ移送する計画だったが、供給に時間がかかるため、いったん自国が保有している2基を引き渡すという。
独有力誌シュピーゲルによると、ドイツはこれまでに、所有していた12基のパトリオットのうち、3基を既にウクライナへ供与した。残る9基のうち、2基はウクライナへの武器供給拠点の空港を防衛するためポーランドに配備され、1基は訓練で使用中という。転用可能な6基から新たにウクライナに供与する。
トランプ米大統領は今月13日、ウクライナにパトリオットを追加供与する意向を示し、費用を米国以外のNATO加盟国が負担すると述べていた。ドイツの他に、オランダやノルウェーなどが支援を表明している。【ベルリン五十嵐朋子】