同僚の論文不正通報、元教授2人の懲戒処分は「違法」…地裁判決


 同僚教員の論文不正を公益通報したのに「中傷目的の虚偽通報」と扱われて懲戒処分を受けたのは不当として、国士舘大(世田谷区)の元教授2人が大学側に処分無効確認と計660万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(伊藤由紀子裁判長)は12日付の判決で処分を無効とし、大学側に計120万円の賠償を命じた。

 判決によると、元教授らは2010年、教員の教授昇格審査を担当した際、教員が執筆した論文に「二重投稿」が疑われたとして審査を打ち切った。17年に教員が元教授によるパワハラ被害を大学側に訴えた後、元教授らは学内の公益通報制度で教員の不正を告発したが、大学側から戒告とされた。

 訴訟で大学側は「教員への私的な反撃を意図した虚偽の告発だ」と主張。だが判決は、教員が10年当時、元教授らに論文不正を認めていたことを指摘した上で、「大学側は十分な調査をせずに虚偽と判断し、処分は違法だ」と結論づけた。同大の運営法人は「判決内容を確認していないのでコメントできない」としている。



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