【北京=西見由章】中国当局が台湾内外における「台湾独立派の頑迷分子」のリスト作成を進めていると、複数の香港メディアが報じた。台湾独立を主張・画策した人物や活動資金の支援者が対象で、外国人も含まれる可能性がある。厳しい制裁や立件の対象となり、「生涯にわたって責任を追及」するという。
中国の習近平指導部は、「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権とトランプ米政権との関係緊密化にいらだちを強めており、台湾内外で中国の立場に反対する人々を威嚇する狙いがありそうだ。
中国系香港紙の大公報(電子版)によると、リストに記載された人物は刑法が定める「国家分裂罪」のほか、台湾独立阻止を狙った2005年の「反国家分裂法」や15年の「国家安全法」違反に問われる恐れがある。
一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)によると、リスト化は2年前から検討されていたが、ポンペオ米国務長官が12日に「台湾は中国の一部ではない」と発言したことなどを受けて実施を決定した。米国の次期政権誕生後に公表される見通しという。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は17日付社説で「(リストアップされた人物は)香港やマカオ、大陸(中国本土)の地を踏めなくなり、他国訪問も危険な旅となる」と警告した。外国人がリスト化された場合、中国入国時に拘束される恐れがある。