茨城県鹿嶋市役所の男性課長2人(1人は当時課長補佐)が昨年1月、熱したスプーンを男性職員(43)の額に押し当てて全治10日のやけどを負わせた問題で、被害者が「市の処分が軽すぎる」などとして、18日までに市議会に陳情書を提出した。19日にあった市議会運営委員会は「定例会では取り扱わない」と決めた。
市議会事務局によると、議運は「職員の懲戒などは議会で審議するにはなじまない」として、陳情書を「議長預かり」とすることを決めた。30日に始まる定例会冒頭で市議に陳情書を配布するという。
2人は昨年7月、傷害罪で罰金20万円と15万円の略式命令を受け、市の職員監察委員会は同8月、課長を戒告の懲戒処分、課長補佐を訓告としていた。被害者の職員は陳情書で、処分の見直しや納得できる説明、再発防止策を求めていた。
職員は取材に「一連の報道で、市職員の質や市の対応に疑問を感じた市民も多くいたのでは。陳情書は市への不信感払拭(ふっしょく)の最後の望みだったので大変残念」としている。(村山恵二)